怒涛の痴畜彩17時

ハロヲタのための24のガヴォット第17番変ホ長調 欲望の循環系

ハロゲン元素の電子配置と天然での存在状況

新年度になったので、ここで基礎の確認をしようと思います。

まずは 元素 という言葉 

これが曲者です。


近代化学でいう 元素 というのは 

原子番号によって区別した原子の種類  のことです。


教科書には必ず 元素の周期表 というのが載っていて
覚えている人も多いのだけれど

かんじんの元素の定義が教科書には書かれていないのです
(この国の文部科学省は何を考えているんでしょうか)

古代においては 物質をつくるおおもととして
土 水 火 空気 などが元素と考えられていました。
(地 水 火 風 の4元素説)
今日では 水は化合物 土や空気は混合物 火は物質ではない
ということがわかっています

さらにややこしいのは
単体(1つの元素からなる物質) と 元素 が
同じ名称で呼ばれること

ヨウ素 という元素だけでできている物質は ヨウ素 と呼ばれる

新聞やTVをはじめ個人のブログにいたるまで
そこがよくわかっていない人がやはり多いようです



17族の元素であるハロゲン(フッ素 塩素 臭素 ヨウ素) は
原子(陽子と電子の数が等しい) の状態では存在できず
天然にはほとんど 1価の陰イオン すなわち
フッ化物イオン 塩化物イオン 臭化物イオン ヨウ化物イオン
の形で存在しているのです

よく教科書には 1価の陰イオンになりやすい と書いてありますが
この表現が誤解を生みやすいのではないかと思います。


たとえば1番多く存在する塩素で考えてみましょう
どんな形で存在してますか

岩塩  ですよね

塩化物イオンとナトリウムイオンがイオン結合した
いわゆるイオン結晶です
(ハロゲン とは 塩をつくるもの という意味)

あと海水中に 塩化物イオン として存在しているものもありますが

単体の塩素など天然にはほとんど存在しません
たぶん第1次世界大戦で毒ガスとして大量生産されるまで
地球上にはあまりなかったんじゃないかと思います
(塩化水素なら火山ガス中に含まれているでしょうけれど)


つまり 1価の陰イオンになりやすい という表現は
単体の塩素は1価の陰イオンになりやすい という意味であって
元素としての塩素は天然には1価の陰イオンとして存在している
ということです