怒涛の痴畜彩17時

ハロヲタのための24のガヴォット第17番変ホ長調 欲望の循環系

17族元素の基礎知識

よく 無機の各論は膨大でどこから手をつけていいかわからない と言われますが

17族から覚えるのがいい   と思います。

17族は比較的例外が少なくて覚えやすいうえに
出題頻度がかなり高いからです。

そのわりにはかなり偏差値の高い人でも勘違いをしていることがあります。
とにかく基本はやはり電子配置です。
最外殻の電子数はすべて7になっていますから

価電子数が7  ということです。

となれば1個の電子を受け取った 酸化数-1 の状態が安定ですから

1価の陰イオンの状態で存在している  ということです・

1価の陰イオンになりやすい という表現は誤解を招きやすい
17族の元素は単体の状態で存在しているのではなく
水圏や岩石圏に1価の陰イオンの状態で存在しているのであり
単体はこれらを電気分解などの方法で得ているのであり
フッ素に至っては単体を得ることは不可能に近いともいえます。
すなわち単体はいずれも不安定であり

17族の単体はいずれも有色で有毒  ということになります。

この17族元素の単体はいずれも二原子分子なんですが
単体が二原子分子として存在するのは17族以外では
HON(水素 酸素 窒素) くらいです。
17族元素は ハロゲン と総称されますから

単体が二原子分子になるのは 本とハロゲン と覚えておくといいでしょう。

17族元素は単体が不安定ですからおもに1価の陰イオンとして
他の金属元素と化合してイオン結晶をつくっていることが多いのです。

酸の陰イオンと塩基の陽イオンが結合したものを一般に 塩(salt) といってますから
17族の元素は 塩(えん) として産出することが多いわけです。
その典型的なものが 塩化ナトリウム で 塩(しお) と呼ばれています

塩(えん) と 塩(しお) は字は同じですが意味が違います
英語ではどちらも salt と呼ばれています。

ハロゲンの ハロ も 塩 という意味で
ハロゲン とは 塩をつくるもの という意味です。

したがって ハロゲン を直訳すると  塩素 ということになるのですが
塩素 という名称はすでに17番元素の chiorine に対してつけられていますから
ハロゲン は訳さずにそのまま ハロゲン といってます。

日本語の 塩素 は 塩(しお)の素であり
ハロゲンは 塩(えん)の素 ということになってややこしい

さらに日本語では 塩化水素の水溶液のことを 塩酸 と呼ぶので
よけいややこしいことになっています。


17族の元素は1価の陰イオンとしてそんざいしているわけですから
その名称を覚えておく必要があります。
17族の元素は みな 〜素 という名称ですが この場合

元素名の 素 をとって 化物イオン をつける  ということです。

(元素名にイオンをつけると陽イオンになってしまうので注意!)



フッ素→フッ化物イオン
塩素→塩化物イオン
臭素→臭化物イオン
ヨウ素→ヨウ化物イオン

これらのイオンがイオン結晶になったときは 物イオン をとって読みますから
フッ化カルシウム 塩化ナトリウム  臭化カリウム  ヨウ化カリウムなどとなるわけです。

これらのイオンの還元力の順は単体の酸化力の順と逆になりますから
フッ化物イオン<<塩化物イオン<臭化物イオン<ヨウ化物イオン
となるわけです。


アルカリ金属やアルカリ土類のハロゲン化物はたいてい水にとけますが
銀のハロゲン化物 塩化銀 臭化銀 ヨウ化銀 は水に溶けません
これは電気陰性度の差が小さくて共有結合性が強くなるためでしょう。
塩化鉛(Ⅱ) や塩化水銀(Ⅰ) も水に溶けません・・・現金(げんなま)に苦労する