ヨウ化カリウムの電気分解
ヨウ化カリウムは ヨウ化物イオン と カリウムイオン からなるイオン結晶で
水に溶かすと ヨウ化物イオン と カリウムイオン に電離します。
だからヨウ化カリウム水溶液の中には
ヨウ化物イオン と カリウムイオン が存在するわけです。
ヨウ化物イオン はハロゲン化物イオンの中で最も酸化されやすく
陽極では ヨウ化物イオン が ヨウ素 に酸化されます。
2I− → I2 + 2e−
ヨウ素 は無極性分子のため 水に溶けにくいのですが
ヨウ化物イオンが存在するときには三ヨウ化物イオンとなって褐色の溶液になります。
この変化はきわめて明瞭で 手回し発電機を使って電気分解しても陽極付近が褐色になるのがわかります。
カリウムイオン はイオン化傾向の順序でおなじみのように最も還元されにくく
どんなに電圧が高く 濃度が高くても 水溶液中で還元されることはありませんから
陰極では 水が還元されて水素を発生するわけです。
2H2O + 2e− → H2 + 2OH−
(炭素棒を陰極にしていると たまに気体が発生せず黒い煙状のものができてくることがあるのですが原因不明)
陰極付近は生成する水酸化物イオンのためにアルカリ性になっていくので
フェノールフタレインを滴下すると赤色になります。
(赤じゃない と頑強に言い張る人がいますが教科書ではこの色を赤と言っています。)
実験をする部屋の照明はたいてい蛍光灯ですから
もっと青みがかって見えることが多いです