怒涛の痴畜彩17時

ハロヲタのための24のガヴォット第17番変ホ長調 欲望の循環系

ヨウ素131

ヨウ素 は原子番号53番 ハロゲン元素の中では最も重いもので
単体は二原子分子で紫色なので英語では Iodine といいます。
元素記号の I はここからきているわけです。)
天然に存在する安定同位体は ヨウ素127 という核種で これが100%
したがってヨウ素の原子量はヨウ素127の原子質量と同じになります。
このほかに放射性同位体がたくさんあるのですが
原発事故などでよく話題になるのは ヨウ素131 という核種です。
これは半減期8分の放射性核種でβ崩壊によりキセノン131に変わります。
キセノンが宇宙線の作用で生成するのと
ウラン238の崩壊で生成するのとがありますが どちらも微量です。
ところが原子爆弾原子力発電所などでウラン235核分裂すると大量に生成します。
化学的性質はヨウ素127と同じなので、原爆が使われたり、原発が事故を起こしたりすると
単体やイオンの状態で環境中にばらまかれます。

1957年10月にイギリスのウインズケール起こった事故では、
700兆ベクレルのヨウ素131などが施設外に放出され、周辺地域の牛乳を汚染しました。
さらに記憶に新しいところでは、1986年4月26日に起こったチェルノブイリ原発事故、
30京ベクレルが放出され、世界中の多くの人が甲状腺がんになりました。

すなわち雨となって土壌を汚染し、さらに植物が汚染され、
それを食べた牛が汚染され、その肉や牛乳を飲んだ人に
甲状腺という部分に集まってきて癌を発生させるわけです。

今回の事故でどれだけ環境中に放出されたのかわかりませんが
観測されている放射線の量が少なくても汚染が進んでいる可能性はあります。


<追加>
福島市の水道水からヨウ素131が検出されたようです。
天然に存在しない核種が水道から検出されるのは
そうとう汚染が進行している証拠です。
数値が低いからいい という問題ではありません。
セシウム134やセシウム137も検出されているようです。