ハロゲン化水素
単体のハロゲンは天然にはほとんど存在しませんが
ハロゲン化水素は火山ガスなどの中に存在することがあります。
すべて気体
(フッ化水素は沸点20℃だから微妙ですが)で水によく溶けます。
フッ化水素以外の 塩化水素 臭化水素 ヨウ化水素 はすべて強酸です。
フッ化水素の水溶液はフッ酸
塩化水素の水溶液は塩酸 と呼ばれますが
臭化水素の水溶液は臭化水素酸
ヨウ化水素の水溶液はヨウ化水素酸 といいます。
このへんは昔からの習慣によるものなのでそう覚えるしかないんですが
どうやら日本だけのことのようで
英語では
塩酸は Hydrochloric acid
臭化水素酸は Hydrobromic acid
ヨウ化水素酸は Hydroiodic acid
どうも一貫性のない日本語訳は幕末の宇田川先生のせいみたいです。
http://www.page.sannet.ne.jp/matukawa/ensantougou.pdf
とりわけ塩化水素の水溶液である塩酸は
工業でも実験室でも極めて頻繁に使われています。
小学校の教科書などにも 塩化水素の水溶液を塩酸といいます
みたいなことがちゃんと書いてあるのに いつのまにか忘れてしまって
塩酸 という物質があるみたいに勘違いしてる人がものすごく多い
実験室などに置いてある 濃塩酸 というのは35%くらいの塩化水素の水溶液で
モル濃度でいうとだいたい 12mol/L くらい
だから12倍に薄めて 1mol/L (pH=0)になります。
6mol/L(約20%)の塩酸は共沸混合物となり
これ以上の濃度のものは空気中で発煙します。
フッ化水素は酸としては弱酸ですが
腐食性はきわめて強く ガラスを溶かす性質があるし
目の角膜を溶かしてしまうのでものすごく危険です。
(だいぶ前ですが歯医者が4歳の患者に塗って殺してしまったことがありました)
単体のハロゲンはみんな色がついていましたが
ハロゲン化水素はみんな無色(これも間違いやすい)