あさみるく の 化合物事典 4 サリン
サリンという名称は 開発者のイニシャルをつなげただけなので しいて名前をつけるなら フルオロメチルホスホン酸イソプロピル つまり有機リン系のエステルで 1つのリン原子に �フッ素 �酸素(二重結合) �メチル基 �酸素を介したイソプロピル基 の4つの原子団がついた構造です。 この化合物は神経伝達物質の アセチルコリンに構造が似ているため アセチルコリンエステラーゼに強く結合して その作用を阻害します そのためアセチルコリンが分解されなくなり 強力な神経毒として作用するわけです このとき動眼神経がつながった状態のままになるので 通常の死者とは逆に縮瞳が起こります
合成法はいろいろありますが �三塩化リンをメタノールで加溶媒分解して 亜リン酸トリメチルにする �亜リン酸トリメチルをヨウ化メチルを使って異性化し メチルホスホン酸ジメチルにする �メチルホスホン酸ジメチルからフッ化ナトリウムなどを使って �メチルホスホン酸ジフルオライドを 2−プロパノールでエステル化してサリンにする
サリンが化学兵器として優れているのは エステルであるために使用後はすみやかに加水分解して その後の占領活動に 支障をきたさないことだと言われています |